精密発酵における有用物質生産の考え方_54_辰年

 

畑の管理人ニンジン🥕です。

 

今朝もどんどん広がる紅麹のサプリメントへの批判、まずいですよね。コレを受けて、私なりに、打開策について、社会的、技術的に分けてコンサルしてみようとしました。

 

結果、技術のコンサルとしてはやはり、データもないし、状況もわからないし、断言できない。なので、一般的に考えられる、どういう対策をとっていったらば良いかということに話が集約してしまうことになってしまいます。原因究明の鍵は、技術側、または外部の監査に入った研究機関、市場に出回っている製品回収品からの抜き取り検査の結果待ちになってしまうでしょうね。

 

技術的なコンサルでもわからないことはわからない。下手なこと言ったらば、その会社様や他の会社様にも迷惑が広がり、しかも、その責任が取れない。費用面での担保は特に個人だと取れない。

 

こういう、デメリットが技術コンサルタントという事業形態には、あるのだと気づきました。

結局は、技術をお金に変えることも大変だし、その先の責任担保についても、あまり突っ込んで一緒に製品開発とかしないほうが良いのかなーって、なんか夢見る力が弱ってきてしまいました😖

 

私なりの解釈としては、(※個人見解です)

 

天然物だから安心ということはないということですね。

 

紅麹は、醗酵の世界ではルーツは麹菌ですから、ざっくり言えば、醤油とか味噌とかにも使われている日本古来からの生物発酵技術ですよね。

 

また、天然物においては、食経験があるものでも同様でしようね。なんかしらの精製工程が入れば、それは、なんかしらの成分が取り除かれてバランスが変わってるから、天然物という定義から外れるでしよ!という人もいるでしょうね。

 

そして、今回の話は、品質面での抜き取り検査の頻度とチェック項目。そこに至るまでの安全性、毒性試験を、ヒトまでやったかというのもありますよね。製薬会社だし、やっていると思うんですけどね。

 

かつて昭和◯工が、米国で起こしたトリプトファン事件というのがありました。死亡した方が出てしまったものです。簡単にいうと、安全性試験はマウスでは試しました。けど、ヒトまではやつてなかつた。そして、その含有物のなんだかっていう物質は、マウスには影響しないけど、ヒトには影響するという代物で、確か、かなり低濃度でもその影響が出るのではなかったでしようか。

 

こういうこと言い出すと、ヒトでも試験しなきゃ、サプリメント販売しちゃダメって話になってしまいますよね。

 

でもコレって、安倍政権の三本の矢の政策の時に、もっと機能性表示食品出しやすくして、医療費下げていこうよということで、この制度ができたはずなんですよね。

 

それと相反してしまうんですよね。

なぜならば、食品は安いからです。

 

皆さんが手に入りやすい、そしてある程度は、製品を販売している会社の利益も出してあげなきゃ開発費用が回収できませんからね。それでも、ある程度、品質管理もしながら、必要最低限の価格帯で、出しているんですよね。皆さんの笑顔を見たいがためにです。

 

もし、今回の原因の対象のものを除去する必要が出てきてしまって、プラスで精製工程を入れたりしたらば、その分コスト高となります。さらに、ヒトでの安全性試験を、被験者数人、何回服用、期間1ヶ月で、例えば血圧の効果を毎週見るとかだけの条件依頼だけでも、数百万ではおさまらないとんでもない金額になるものと経験上、推測されますので、そんなん毎回できないはずです。

 

製薬会社ならば自社と外部でも検証して、おそらくやって、もはや医薬品かよ、という品質確認までしてる代物なんだとおもいます。でも、想定外の物質を生成したということですよね。

それか、入っちゃったか?

 

とまー、普通は、自社内の製品開発の研究開発現場はかんな感じの話がされてるとおもいます。

 

それで、私の見解では、菌株が少しずつ、継代を重ねるにつれて、変異などしていったしまった可能性があると考えています。全部じゃなくても一部の変異株が混じっただけでも、バッチ単位で数週間レベルで培養してると考えると、その濃度は高くなっていった可能性もあります。

 

と思ったんですが、実は、この麹菌はシトルリンという毒素を作らない構造らしいんですね。

んでも、作る紅麹もいるんだそうです。だとしたらば、変異しちゃったんじゃないの?って考えちゃいます。

 

シトルリンとは?

腎機能障害を引き起こす毒素らしいです。

 

となると、その後の混入、カビなのか?よくわかりませんが、毒素の分析が必要になりそうですね。どこで入ったのかをトレースしなきゃですね。人的混入事件とかじゃなければ良いですがね。

 

この辺にしておきますが、今後、問題は拡散していくでしょうし、この対策は、間違いなく、私の研究開発領域にも影響してくると考えています。

 

省庁の対策、規制など、届出も監査も、原材料供給の証明書の調達などの規制やサプライヤーの力量評価など、社内外の連携が密にというよりも、かなり厳しく細かく、面倒くさいくらい手間がかかりそうに変わっていってしまうのかなーと危惧しています。

 

精密発酵のような微生物を使った有用物質生産の印象が悪くならないように、祈るばかりです。そして、これ以上、影響が広がり、ご健康を害されてしまった方々には、本当に私も最大限に気を使うべきと教訓となっています。

 

今日はあまり明るい気分ではありませんが、あげていかないと、ばきっと折れて、やられそうな気持ちでもあるので、とりあえず、空を見上げて、深呼吸、ため息、飯食って、よく寝て、エンジョイします🔥